セッティング力を身につける

セッティング出来る能力を勝手にセッティング力と呼ばせていただきます。
その力を身につけるためにはどうすればよいか?
そんなことを何回かに分けて書いてみようと思う。


まずバイクのセッティングを行う時にどのようなことが考えられるか。
・乗りやすいか
・自分の好みに合わせるにはどうするか
・コンディションはどうか(またコンディションにあわせるにはどうするか)
・苦手な部分、走りにくい部分をどうするか

このようなことが考えられるが、全てがサスペンションセッティングで解決できるわけではないし、ポジションセッティングだけでも解決は出来ない。

まず何を変更すべきか?そこをどうやって判断するのかが問題になると思う。
とにかくひとつづつ試してみるのが一番なのだが、それではヒントがなさすぎるので、自分がセッティングを行う場合の考え方を紹介。

ポジションとサスペンションのセッティングをどうやって切り分けているかというと、バイクをセットアップしていく上で、まずポジションを決めていくと思う。その段階である程度決まったポジションや好みのポジションがあって、特別フレームサイズが大きいとか、小さいとかが無ければ、ポジションがベースとなって、そこへサスペンションのセッティングを行うことでバイクの味付けが決まってくると思う。
要はポジションがバイクセッティングの土台であるということ。

なので、その土台をコロコロ変更することは無いが、サスペンションのセッティングではなく、ほんの少しハンドルの高さや取り付け角度を調整することで、ストレートでの身体の位置、コーナー進入やブレーキング時の荷重のバランスなどを、無理な姿勢になることなく修正することができるので、サスペンションセッティングの詰めとして使うことが多い。
ポジションは乗る位置を調整してバイクの動きを変えられる役割があるということ。

そしてサスペンションのセッティングは、路面コンディションに合わせる場合に行うことが多い。
路面のコンディションに合わせるということは、滑りやすかったり、路面が硬かったり、ギャップに対応したりセッティングするポイントはさまざまだが、自分が走っていて一番乗りやすいポイントに合わせていけばよいのだ。

コースについて晴れていれば特に気にせず走ればよい。
もし雨上がりなどの場合は、路面が滑ることは容易に想像できるわけで、バイクの動きを少しマイルドにして1本目を走るというのが考えられると思う。
2本目から晴れでも雨でも一緒だ。
1本目の感触からさて次はどうしてみようか?と考えられる。

一度にフロントとリアを変えてしまうことはやめよう。
1つづつ少し変えてみて走りがどう変わっていくか、感じてみよう。

セッティングを変更したときは、その値をメモして、良かったところと悪かったところなどの感想も残しておくとよいと思う。

そうやって行くうちに、経験値がついていき、コンディションによって自分の好みのセッティングに合わせられるようになるだろう。

ひとつ極端な例。
雨上がりに、極短い区間で濡れていて滑りやすいところがある。
そんな時はセッティングをするべきか?

答えはライン取りや走らせ方でカバーするのがベスト。

コースの半分近くがそういったコンディションならサスペンションのセッティングも考えられるが、短い区間であれば走らせ方でカバーするほうが、その他を快適に走らせることができるからだ。

地道に経験を積んでいくというのがセッティング力を身につける一番の近道なのだが、やみくもにやっていても遠回り、もしくは走りづらくライディングそのモノがつまらなくなってしまうと思うので、ベースとなる考え方を知ってもらい、自分の好みに合わせられるようになったらMTBとの付き合いかたに楽しみが1つ加わるのでは。

次回はもう少し具体的に考えてみたいと思います。