ダンパーを調整するとどうなる? その6 リバウンド編

さてこのダンパーを調整するとどうなる?シリーズ、コンプレッションとリバウンドをそれぞれ細かく刻んできたので長くなりましたが、とりあえず今回で一旦締めです。セッティングをしましょう~なんて言ってもダンパーを調整するとどうなるか?ある程度のことが分かっていなければ調整のしようもないですからね。そんな一歩を踏み出してもらきっかけになれば嬉しいです。


さて前回は、リバウンドのダンピングを調整することで、バイクの姿勢変化を制御することについて書きましたが、その特性を利用したセッティングを紹介します。
富士見パノラマではそれほど必要はないと思いますが、斜度のきついセクションを走っていて、前転しそうになったりブレーキが利きにくいなんて場合があると思います。そんな症状を軽減できる方法として、リアサスペンションのリバウンドを強めて(戻りを遅く)してあげることで、斜面を走行中にリアが跳ね上がる力を抑えることができるし、リアが接地しやすくなるので、タイヤのグリップを稼ぎやすくなります。

ただし、斜度のあるセクションはそれほど長い距離はないと思うので、あくまでも微調整の1つとして考えましょう。

次は、普段から使える微調整の方法です。
1つは晴れがつづいて、土埃が巻き上がるほどパフパフの路面になった場合、高速コーナーなどで硬い路面の上につもったパフパフの土が原因でズルッっと滑る場合があります。
そんなコンディションのときにリバウンドを普段より1クリック弱める(戻りを早くする)とサスペンションの反応がよくなり滑った場合でもリカバリーがしやすくなる。

またそんなコンディションの後になりやすいのが、突然振り出す雨によって硬い路面がツルツルの滑りやすい路面に変わること。
そんな時は、普段より1~2クリック強めて(戻りを遅くして)あげると、サスペンションの動きがマイルドになるので、滑りやすい路面でサスペンションが敏感に反応せず、ピーキーな滑りを防ぐことができる。

というように、微調整を行うことで症状を軽減することができるのです。
あくまでも微調整なので、変化を感じられるかどうか?というところですが、微調整を行うことでおまじないのような効果もあります。
コンディションに対処したということが安心感につながることもあるということですね。

こういった微調整はリバウンドだけでなく、コンプレッションでも使えます。

このシリーズで書いてきたことはセッティングの基本的な考え方となることです。
しかし、セッティングはイレギュラーなケースも多々あるので、その状況に応じて対処することが重要になります。
そのセッティングが良いのか、悪いのか、それを判断するのは自分の感覚です。

自分が乗りやすいと思うようにダンパーを調整していけるようになると良いと思います。